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2008年6月24日 (火)

久しぶりの大原三千院~その2思い出編~

バスターミナルから三千院に向かう参道には、たくさんのお土産屋さんや食事処があります。だいぶ前のことですが、うちの娘が小学校の4年生の時に、この時季に2人で来たことがありました。娘の学校の創立記念日(?)と僕の休みがたまたま同じ平日に重なった日のことでした。娘が「宿題の作文、書くことがない!!」というので、「ネタを探しに行こう」ということになり、大原までやって来たのです。

2時頃でしたが、2人とも朝昼兼用の早い食事でしたので、小腹が空き、「うどんでも食べようか」ということになり、一人前だけ頼みました。娘のためにお椀を一つもってきてもらい、2人で分け合って食べたのです。別にお金がなかったとかではなく(そんなにはありませんでしたが)ちょっと食べたかっただけなのでした。

お店の人がうどんを一人前と小さなお椀を持ってきてくれました。そして、すぐその後に、おにぎりを二つ持ってきたのです。「お嬢ちゃん、これもお食べ!!」と優しく笑いながら、お店のおばさんが置いていってくれたのです。

「おにぎりは頼んでいませんが?」と言ったら、「いいの、いいのお食べ!!」と言って、さっさと奥に行ってしまいました。娘と2人で「何でやろ」と考えて、答えが見つかりました。

このお店のおばさんが考えたストーリーはきっと、こうだったのです。

「平日に普段着でやってきたこのお父さんは、今は無職で収入がない。うどんを二人前頼みたいが、一人前しかお金がない。仕方ないから半分こして食べよう。そのうち、お父さんが競馬で当てて、おいしいものをたらふく食べさせてあげるから、それまで辛抱してな

心優しいおばさんは、見るに見かねておにぎりをサービスしてくれたのです。それは、とてもうれしく心温まるものでした。しかし、それほどお腹が空いていない娘は、うどんだけでも十分だった上に、おにぎりを一つやっと食べ、あとの一つは僕が食べました。決して残すわけにはいかなかったのです。僕は、おばさんの想像した父親役を演じようと努力しました。店を出るときも、少し卑屈にお礼をいいました。おばさんは、「大丈夫?お腹いっぱいになった?」と、少し不安そうでした。娘も明るく「うん、お腹いっぱい」と満足そうな顔をしてくれました。僕ら2人は、良いことをしたような、悪いことをしたような、複雑な気持ちでした。

その後、三千院の紫陽花苑を散策し、娘は十分に、作文のネタを見つけることが出来ました。

懐かしい思い出です。そのお店は今も健在でした

写真は、大原の里の様子です。

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コメント

モーツアルトさん
父と娘が食事しているだけで、「きっとお母さんに逃げられたのかも…」と思われますよね。
昔、流行った「一杯のかけそば」を思い出しました。

おばさんのおかげで、いい想い出になりましたね。

歌の歌詞に登場する大原三千院は、思っていたより、静かでのどかな所なんですね。

投稿: くるたん家族 | 2008年6月26日 (木) 04時53分

ウソのようなホントの話なのです。当時、家族や友人に話をしましたらみんな大笑いでした。現実はなかなか面白いこともあります。
大原は、中世の文化と山里の風景がうまく融合した良いところですよ。くるたんパパさんも機会があれば是非お訪ね下さい。

投稿: モーツアルト | 2008年6月26日 (木) 22時24分

私も似たような経験が(笑)
私の場合、たらふく食事した後で、
超巨大ソフトクリームをサービスでいただいたことが
お腹いっぱいの状態で、満面の笑みを浮かべたシェフと共に登場したんです。
断る勇気なかったです
残せないので、2人がかりで必死に食べました~

投稿: りえ | 2008年7月 2日 (水) 22時13分

りえさんも同じような経験があったんですね。その気持ちよくわかります。人の善意は無駄にはできませんものね。それにしても巨大ソフトクリームとは、泣けますね

投稿: モーツアルト | 2008年7月 2日 (水) 22時50分

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