« 活動量計 これって何だろう? | トップページ | 小説 アンドロイド「AYA/2nd」第5章 連載3 »

2012年6月16日 (土)

小説 アンドロイド「AYA/2nd」第5章 連載20

※お待たせしました(誰も待ってないって!という声が聞こえてきそうですが、それは置いといて……)しばらくぶりの続きです。もし、良かったら読んで下さいね。

--------------------------------------------------------------------------------------------------------

「さっきのSAで入れれば良かった」

昇は舌打ちしながら思った。CDの挿入口しか露出していない銀色のカーオーディオから、この状況にまったく不似合いなCurly Giraffeが静かに流れている。やがて昇は、ガソリンスタンドのアイコンが描かれたSAの標識を確認すると、小さなため息をはき出し、ゆっくりとミニを減速させた。デジタル時計は一時を表示していた

一月もそろそろ終わりに近づいている。クリスマスや年末年始の賑わいも一息ついたようで、街は日常を取り戻している。一月最後の土曜日の休日。昇はまだベッドの中だ。リセットし忘れた目覚まし用のFMラジオからDJの声が突然聞こえてくる。アメリカの新大統領、オバマの話題だ。世界が変わるかも知れないという期待と興奮をいささか過剰に演出している。昇は半分夢うつつでありながら、世界はそんなことではあまり変わらないんじゃないかなどと考えていた。昇は厚手の柔らかい毛布から腕だけ出して、朝からハイテンションのDJの声を消した。しばらく布団の温もりの中でぼんやりしていたが、あきらめて起きることにした。

カーテンをゆっくり開けて外を見る。隣の家にある家庭菜園のブロッコリーが淡い黄色い花を咲かせている。視線を上に向けると、電線にとまっていたカラスと目があった。考え事をしていたカラスは思考を中断されたせいか、昇を非難するようにひと声鳴くと、ぱっと飛び立った。同時に、その声に驚いたようにカラスの方を見上げた男を見つけた。黒のスーツ姿の男である。休日の朝早い時間に、スーツ姿で電柱の陰に立っているというのはどう考えても不自然である。しかも、その位置から考えると昇のマンションを見ていたようである。それもおそらく昇の部屋を。三十代と思われるするどい目つきのその男は、昇に気づいたのか、時計にチラッと目をやると急ぎ足で駅の方に向かって歩いて行った。昇は一瞬、嫌な臭いを嗅いだときのような胸の悪さを感じた。

「昇、どうした? 変な顔色だよ」

リビングに入ると、亜弥がすかさず声をかける。

「男がこの部屋を見ていた。いやーな前触れのようで、何だか気になる」

亜弥はさして感心がなさそうに、ふーんと言っただけで雑誌から目を離さない。それから思い出したように

「電話に留守録が入っていた」

と、昇の方をチラッと見て言った。相変わらず何の修飾も持たない簡潔なセリフ。昇は留守録のプッシュボタンを押して用件を再生した。(つづき)

|

« 活動量計 これって何だろう? | トップページ | 小説 アンドロイド「AYA/2nd」第5章 連載3 »

小説・童話」カテゴリの記事

コメント

ん? 亜弥は行方不明になったわけ
ではなかったのね。良かった。

あの事件のあと美優とは上手くいってる
のかな。それも気になってます。

黒のスーツ姿の男、まさかMIBでは
ないですよね。缶コーヒー持って、
立ってたりして...(^~^*)

投稿: casa blanca | 2012年6月16日 (土) 15時16分

まさかの亜弥の名前でした。
結局、どこに居たのでしょう。
また、新しい事件が。

投稿: ブルー・ブルー | 2012年6月16日 (土) 22時01分

casa blancaさん
いつも読んでいただいてありがとうございます。

>ん? 亜弥は行方不明になったわけ
ではなかったのね。良かった。

すみません。今回は「第5章失踪」の二回目になるのですが、変な所で話を切っているのでわかりにくいかもしれません。
上の1行空きの次らかは、少し時間が戻った場面になります。亜弥が失踪する前の時間に戻っています。この後、しばらくしてから突然いなくなります。すみません<(_ _)>ややこしくて。
よかったら、また続きを読んで下さい。

投稿: モーツアルト | 2012年6月17日 (日) 09時33分

ブルー・ブルーさん
いつも読んでいただきありがとうございます。

「AYA/2nd」は久しぶりの連載になるので、ややこしくてすみません。casa blancaさんへのコメントに書いたように、まだ失踪中なのです。これからどうなるのか、もしよかったら是非読んでみて下さい<(_ _)>。

投稿: モーツアルト | 2012年6月17日 (日) 09時36分

前回は、2月初めだったのに、
1月もそろそろ終わり...

あれ?っと思ったのよね。
突っ込んじゃいけないかなと
思ったんだけど、
時間は合ってたんですね。
失礼しました。

少し逆走して亜弥が行方不明になる前
なのですね。納得です。(*^ ^* )V

投稿: casa blanca | 2012年6月17日 (日) 19時57分

>まだ失踪中

>少し逆走して亜弥が行方不明になる前
なのですね。

僕も納得ですwink


投稿: くるたんパパ | 2012年6月18日 (月) 05時51分

casa blancaさん
すみません。途切れ途切れで、すんなり話の流れが見えなくてすみません。ちょうど良いとこで切れば良いのですが、適当な所で切ってしまっていますcoldsweats01
いつも、夜のほろ酔い加減の時が多いのでcoldsweats02、いい加減になってしまいます。本当にすみません。
これに懲りず、良かったら続きを読んでみて下さい。

投稿: モーツアルト | 2012年6月18日 (月) 22時30分

くるたんパパさん
いつも読んでいただいてありがとうございます。

これに懲りず、良かったら続きを読んでみて下さいhappy01
不具合には、突っ込みを入れて下さいませ。

投稿: モーツアルト | 2012年6月18日 (月) 22時31分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/187847/54977480

この記事へのトラックバック一覧です: 小説 アンドロイド「AYA/2nd」第5章 連載20:

« 活動量計 これって何だろう? | トップページ | 小説 アンドロイド「AYA/2nd」第5章 連載3 »