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2012年6月 1日 (金)

小説 「3・3㎡/2」連載3

「わざわざすみません。ホントにありがとうございます。娘も喜びます」

祥吾は、そう言って花南を迎えてくれた。翌週の金曜日の夕方のことである。花南のマンションと同じ方向なので、土日にかけて、一泊の小旅行の予定もあり、少し早く仕事をあがらせて貰い、帰宅の途中に立ち寄った。五階建ての小さなマンションで、それぞれの部屋はさほど広くなさそうだが、二人が住むには十分なのであろうと花南は思った。

「さやか、お花屋さんがお花を届けてくれたぞ」

祥吾が部屋の奥に声をかけた。

「やったー!」

どたどたと、大きな足音と共に、二つに髪を括った、ピンクのジャンパースカートの小さな女の子がいっぱいに微笑んでやって来た。

「さやかちゃん、お誕生日おめでとう」

花南が、コスモスとオンシジュウムを中心にまとめた花束を渡すと、

「うわー、きれい。お花屋さんありがとう」

花南を見つめる大きな瞳は、今日仕入れた季節外れのトパーズ色のアネモネを連想させた。

「はい、これは私から」

ディズニーのミスバーニーをデザインしたポシェットを手渡した。紗也香は、大事そうにポシェットを抱え、奥の部屋にもどった。

「どうもすみません。お礼と言っちゃ何ですが、もし、よかったら、いっしょに晩ご飯を付き合ってもらえませんか」

思わぬ誘いに、花南は少し戸惑い、そしてきっぱりと

「お付き合いしましょう」

両手を後ろに組み、やや胸を反らせて、笑いながら言った。普段の花南なら、絶対に断っていたはずなのに。(つづく)

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コメント

何て自然な展開でしょう。(^~^*)

いい感じなのに、黒い影が花南の身に
忍び寄っているんですよね...

投稿: casa blanca | 2012年6月 1日 (金) 15時16分

花南の身に黒い影が忍び寄っているのですか?
そんな怖いストーリーにしないでくださいね。

投稿: くるたんパパ | 2012年6月 1日 (金) 18時39分

いきなり接近?
なにか不穏な影。

投稿: ブルー・ブルー | 2012年6月 1日 (金) 20時59分

casa blancaさん
いつも読んでいただいてありがとうございます。

>いい感じなのに、黒い影が花南の身に
忍び寄っているんですよね

そうなんです
良かったらまた続き読んで下さいね。
今回は短かったのですが、この位が適度かななんて思っています。どうでしょうか?

投稿: モーツアルト | 2012年6月 2日 (土) 22時11分

くるたんパパさん
いつも読んでいただいてありがとうございます。

そんなにこわいストーリーではないので、ご安心ください。スリーリーに対してお気づきのこととがありましたら、是非仰って下さいね。

新しいお話もまた考えないといけませんね。今、ヒントを探しています。

投稿: モーツアルト | 2012年6月 2日 (土) 22時16分

ブルー・ブルーさん
いつも読んでいただいてありがとうございます。

>いきなり接近?
なにか不穏な影。

接近したことによって何か怖いことが起きるわけではないので、安心して読んで下さい

続きもよろしくお願いします<(_ _)>。

投稿: モーツアルト | 2012年6月 2日 (土) 22時19分

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